くにゅくにゅの雑記帳

実験ノート的なやつ

青森~鹿児島2000km

青森から鹿児島まで,高速道路でつながっているか?

 

答えはYesで,2000kmあまりあります。しかし,そのルートの一部として「磐越自動車道」の名が浮かんだ人は,プロドライバーでなければ,相当な道路オタクでしょう。

 

1995年,日本列島を縦に貫くように整備が進められてきた高速自動車国道網は,最後の未開通区間として残っていた九州自動車道の人吉~えびのIC間が開通したことによって,北は青森から,南は鹿児島まで,なんとなく一本で結ばれたのです。

 

 

しかし,青森から鹿児島まで一枚の通行券で通し走行できるようになるまでには,少し待たなければなりません。よくよく考えると,東京付近では,放射状に伸びる各高速道路間は直接つながっていません。たとえば青森から東北道を東京まで走行して,さらに東名で西へ向かうには,途中でいったん首都高速道路などを通る必要があります。このとき,東北道から流出し,改めて東名に入った扱いとなるため,東京を通るルートでは,通しで走行という条件は満たすことができません。

 

 

これが可能となるのは,1997年に,福島県のいわきJCTと,新潟県の新潟中央JCTを結ぶ磐越自動車道が全線開通してからです。磐越道の開通によって,東北道の途中,郡山から磐越道でいったん新潟へ向かい,北陸道で米原まで西進したあと,名神でさらに西へ向かうことがルートが形成されました。途中,東京を強引にバイパスする経路ができたことにより,ようやく青森から鹿児島までが一枚の通行券でつながりました。

 

 

そして2015年10月31日,圏央道の延伸開通よって,東北道と東名が結ばれたことで,この間のルートに新たな選択肢が生まれ,わざわざ日本海側まで迂回しなくても,東京を通らずして青森から鹿児島まで行けるようになりました。しかし,興味深いことに,圏央道は必ずしも距離の短縮にはなっていません。青森から鹿児島までの距離は,圏央道経由よりも磐越道経由の方が少し短いのです。

 

 

 

日本地図を見ればわかるとおり,東北地方と近畿地方との間は,海に張り出している太平洋側を通るよりも,直線的な日本海側を通った方が近いことは明らかなのが,郡山から,わざわざ新潟まで向かうという無駄を含めてもまだ短いというのは,少し意外な感じがします。圏央道が首都圏を大きく迂回していることや,東名が浜松あたりを海沿いにカーブしていることが要因なのでしょう。

 

ちなみに,この地形のせいで,鉄道では,日本海側が物流の大動脈となっています。北海道や東北から近畿以西へと向かう貨物列車のほとんどは,最短ルートとなる日本海側の奥羽本線羽越本線信越本線北陸本線を経由し,琵琶湖の西側を通る湖西線で京都にやってきます(逆もしかり)。札幌と福岡を往復する,日本最長とされる貨物列車も,日本海側を通ります。ここ,新幹線の開業によって,細切れに第三セクター化されちゃってますが,大丈夫なんですかね?

日本海縦貫線 - Wikipedia