Eakins実体顕微鏡レビュー
AliExpressで中華製の実体顕微鏡を買ってみたので,インプレッションを書いてみます。ポチったのはEakinsというブランドのこれ。
選び方
同じEakinsブランドでもたくさんの異なるセット製品が売られていますが,違いは販売元のほか,カメラマウントの有無や,レンズ倍率の違い,台座の形状,付属品の差などです。
カメラは使いたいので,顕微鏡本体は双眼の接眼レンズに加えカメラマウントが付いている三眼のものを選びました。英語名称としては「trinocular」になります。倍率は 7~45倍。はんだ付けで使う上では十分です。台座の作業台は薄くて幅広のもの。LEDリング照明は当然必要です。カメラも欲しいので,HDMI出力付きのものを選びました。
価格
AliExpressでも,実体顕微鏡はむちゃくちゃ安いわけではありません。実際,わたしが買ったセットは,本体価格と日本までの送料を合わせて4万円を超え,それほど安い買い物ではありません。とはいえ,双眼のカメラマウント付きの実体顕微鏡本体と台座,接眼レンズ,LEDリング照明,CマウントのHDカメラがセットになってこの値段と考えると,クオリティ次第ではありますが,まあ悪くないかなとも考えられます。
実際の性能のほどはどんなものでしょうか?
届いたもの
部品の状態でボロボロの箱に入って送られてきました。注文ではDHL指定でしたが,実際にはSF Expressで届きました。AliExpressではよくあることです。説明書は入っていましたが,違う機種の説明ばかりが書いてあり,ほぼ役に立ちません。中華製品ではよくあることです。そこで,想像で組み立てます。
高いだけあって作りはそれなりにしっかりしています。顕微鏡本体のクオリティは問題なく,なんだか安っぽいなぁという印象ではありません。。ズームや高さ調整のダイヤルもガタツキなどはなくしっかりとした感触です。接眼レンズもまともです。台座はややチープな感じで剛性に欠けるところがありますが,実用上は十分です。
リング照明はこんな感じ。
照度は無段階で調整可能。ACアダプタは,なぜか「センターマイナス」という鬼畜仕様。
しかもそのACアダプタはEUプラグです。まじか。変換プラグがなかったので,とりあえず強引につなげました。
光学性能
まずは接眼レンズで基板を見てみます。結論から言えば,光学性能は十分で,なんの問題もありません。普通にくっきりと見えます。写真は,接眼レンズにスマホのカメラを当てて撮影したもの。
ズーム最小の7倍。写っている大きなICは5mm角のQFN32です。小さいCR類が0603 metric。コネクタの端子は0.4mmピッチです。
そしてズーム最大の45倍。中央のコンデンサは0603 metricです。これだけ見えれば十分だと思います。
カメラ
こちらがCマウントのカメラ。
HDMI出力と,USB出力が付いています。HDMI出力はPCのLCDモニタに写りました。USB出力は,Windows 10の標準ドライバで,USBカメラとして認識しました。Windows標準のカメラアプリでカメラとして使用可能でした。
前述と同じワークをCマウントのカメラで写したのが以下の画像。倍率ズーム最小時と最大時の画像です。USBでPCに接続し,Windows標準のカメラアプリで撮影しました。
欠点は見て分かるとおり,接眼レンズと比べ視野が遙かに狭いこと。また,カメラの特性なのか,画像が黄色っぽいです。ちゃんと写るのですが,接眼レンズで見るほど綺麗ではありません。
ワーキングハイト
顕微鏡の仕様では100mmですが,リング照明を取り付けると90mmくらいになりました。
もうちょっと高さが欲しい感じはしますが,はんだ付けするのには問題なさそうです。
結論
実体顕微鏡としての光学性能は十分です。カメラはやや制約ありですが,贅沢を言わなければ実用にはなります。総額で4万円overですが,このクオリティなら満足できる買い物です。国内で同等のものを揃えたら10万円は下らないでしょうから。